栗原:まずは、サービス事業部の2つの課のマネジャーとそのメンバーを対象に導入しました。
新たにマネジャーになった社員は、技術面でメンバーに指導する自信はあるけれど、マネジャーとしてメンバーとどう向き合えばいいのかは、初めての経験で戸惑いを感じていました。そのため、メンバーの心の内側を理解し、コミュニケーションのきっかけになるINSIDESは、マネジャーたちの手助けになるかもしれないという期待がありました。2回目のサーベイ実施ではさらにマネジャー(課長)の上司である部長にも対象を拡大しました。
須藤:サーベイ結果を用いたのは、主に中間面談や1on1の場面です。ただ会話をするよりも、テーマや材料があった方が目線を合わせながら話すことができます。何も情報がないところから話すのと、INSIDESを実施してから話すのでは、コミュニケーションの深さが違います。お互いに共感しあえる雰囲気のなかで、サーベイ結果をもとに、「感じていることを素直に教えてほしい」「この課題って具体的にどんなことが起きているの?」など、具体的かつストレートに、仕事に対する不安や不満を共有することができるようになりました。
当社はもともと、何でもフランクに話すことができる風通しの良い環境ですが、INSIDESの実施後は、さらに開放性が増して、お互いの価値観を尊重しあえる職場になってきたと感じています。マネジャーがメンバーの本音を引き出せるというだけでなく、メンバーがこれまで上手く整理できていなかった自分の心のなかを言語化することにも役立ったようです。
栗原:ソフトウェアを使うときは、正しい入力をすれば、予想通りの結果が出ます。しかし、相手が人間となると、そう単純にはいかないことがたくさんあります。サーベイ結果を見て、新任マネジャーたちはその複雑さに気づかされたようです。私自身、驚いたことがあります。ある女性メンバーは、日頃からテキパキと仕事をこなしており、とても優秀でした。その仕事量から、「彼女はおそらく120%の力を出している」と思っていたのです。ところが、本人は「さらに難度の高い仕事へ挑戦したい」と感じていました。もし、この状態に気づかなかったら、モチベーション低下につながっていたかもしれません。