永瀬:当社、シープランニングは、大手企業の総務・人事・情報システムなどバックオフィス業務全般をアウトソーシングで請け負っています。もともとは、ネットワークの構築業務で創業しましたが、顧客からの要望に合わせて柔軟に対応してきた実績から口コミで取引先を広げ、現在は約90名の従業員を抱えるまでに成長しました。
組織が大きくなり、プレイングマネジャーの増加、世代間のギャップなどを背景にピープルマネジメントがこれまで以上に難しくなっています。しかも、現場でのピープルマネジメントは、人事から状況が見えづらい。少しコンディションの良くないメンバーがいても、あと半年だけ頑張ってくれ、を繰り返してしまう可能性があります。そうしているうちにメンバーのモチベーションが下がり、活躍できなくなれば、お客様に価値を提供できなくなってしまいます。目の前の業績だけでなく、同時に中長期で人を育成し組織力を高めていくというバランスが必要です。
太田:現場でのメンバー育成の責任を、マネジャーに押し付けるだけではいけません。それは、マネジャーを信頼していないということではなく、ピープルマネジメントは組織全体で行うべきものだという考えからです。
現場のマネジャーもピープルマネジメントに対しては、悩みを抱えていました。自分自身は、背中を見て学べ、という環境のなかで歯を食いしばって取り組んできたマネジャーもいます。メンバーの声を傾聴し、支援するようなマネジメントが求められると頭では理解していても、昨今はハラスメントなどに対する意識も高まった分、どうメンバーと関わればいいのか、分からなくなってしまっているのかもしれません。
人事としては、現場のピープルマネジメントがうまく回るように、受け身ではなく積極的に支援していくことが必要だと考えました。